海外の生活費・医療・生活の質を調べる
海外移住は素敵に聞こえる。チューリッヒのワンベッドルームの値段を見るまでは。ある目的地に惚れ込む前に、実際に座って調べてみること。そこで生活するコスト、医療制度の仕組み、休暇中ではない普通の人の日常がどんなものかを。
生活費
Numbeo と Expatistan は、最もよく使われる生活費比較ツールの2つです。現在の都市と移住候補地を、家賃・食料品・外食・交通費などのカテゴリで比較できます。出発点としては有用ですが、クラウドソーシングによるデータが多く、街区レベルの細かい差を把握するのは難しいです。
街区ごとの家賃の差: パリ中心部では、アパートが€2,200以上になることもあります。区を一つまたぐだけで、同じような物件が2倍の値段になることも。郊外(バンリュー)まで出ればかなり下がります。目的地の都市の中でどの街区を選ぶかが、生活費に大きく影響します。
税金: 総収入と新たな税負担を比較する必要があります。フランスでは労働者の社会保険料が高めですが、その分、公的医療、補助付き保育、手厚い労働者保護、そして5週間の有給休暇が賄われています。一方スイスでは所得税が低い場合が多いですが、強制加入の医療保険を別途支払う必要があり、生活費もかなり高くなります。重要なのは、税金・保険・住居費・基本的な支出を差し引いた後の可処分所得がいくら残るかです。
為替リスク: 収入と支出の通貨が異なる場合、為替レートが毎月の家計に影響します。USDはEURに対して2024年初頭から2025年初頭にかけて約8%下落しました。
医療
ほとんどのOECD加盟国は普遍的または準普遍的な医療保障を持っていますが、状況によって違いが大きく出ます。
公的医療制度(イギリス、フランス、スペイン、イタリア、カナダ、オーストラリア、日本など): 税金で賄われるプログラムを通じて住民がアクセスできます。通常、法的な居住資格を取得すれば適用されます。専門医への待ち時間が長くなることもありますが、一般診療や救急は概して質が高く、窓口での費用は低いか無料です。
保険ベースの制度(ドイツ、オランダ、スイス): 住民は規制された民間市場での医療保険加入が義務付けられています。月額保険料は国や年齢によって€100〜400程度。保障内容は包括的です。
移住先ごとに調べるべきこと:
- 保障はいつから始まりますか?到着後に待機期間がある国もあります。
- その間をつなぐための民間保険が必要ですか?
- 一般医(GP)への受診、専門医、処方薬の自己負担額はいくらですか?
- 慢性疾患がある場合、必要な薬が現地で入手・保障されるか確認してください。
OECD Health at a Glance レポートは、38カ国の医療費・医療成果・アクセスを比較しています。内容は濃いですが、候補地リストについて概要を読む価値はあります。
生活の質
OECD Better Life Index では、11項目(住居、収入、雇用、コミュニティ、教育、環境、市民参加、健康、生活満足度、安全、ワークライフバランス)を自分の優先度に合わせて重み付けし、国ごとに比較できます。このテーマに関する最良のインタラクティブツールです。
InterNations Expat Insider Survey は毎年12,000人以上の駐在員を対象に、生活の質、定住のしやすさ、海外での就労、個人財政などについて調査しています。2024年の調査では、全体的な駐在員満足度でパナマ、メキシコ、インドネシアが上位にランクされました。
気候と日照時間。 マイアミからヘルシンキへ11月に移住すれば、気分・活力・社会生活に影響が出るでしょう。平均気温、日照時間、季節のパターンを調べてください。スカンジナビアの冬を経験したことがないなら、決断する前に1月に1週間滞在してみましょう。
徒歩圏内の利便性と交通機関。 車社会の都市から来た人には、歩きやすい街や信頼できる公共交通機関が快適かもしれません。Google マップのストリートビューで目的地を見てみましょう。通勤ルートを仮想的に歩いてみましょう。交通アプリも確認しましょう。
比較フレームワーク
候補地の上位2〜3カ所について比較スプレッドシートを作りましょう。
- 希望のアパートの広さと街区での月額家賃
- 食料品・外食・交通費の月額概算
- 医療保障のモデルと概算の自己負担額
- 想定収入に対する税率
- 自分にとって重要な生活の質の要素(安全性、徒歩圏内の利便性、社交の場、気候)